厚生労働省は「室内空気を汚染し、人の健康を害する」問題物質として、13種類の化学物質に室内濃度指針(ガイドライン)を設定し
ていますが、今回の法規制ではその中の2つ「ホルムアルデヒド」の使用量の制限と「クロルピリホス」の使用禁止だけが具体的に
決められただけで、残りの11種類の物質については規制されているわけではないのです。

つまり、基準法をクリヤーした建築材料(F☆☆☆☆マークの付いたもの)のみを使って建てた家でも室内空気中の有害物質濃度が
「低く」なるだけに過ぎず、この濃度が皆さんの健康に問題の無いレベルであることを法律は保証している訳ではないのです。

先にお話したように合法的に作られた家で、実際に多量の有害な化学物質が検出される事もあるのです。

さらに、基準法では新築物件のみについて有害化学物質の規制をしており、既存建物のリフォームの現場に関しては明確な縛りが
無く、「野放し状態」になっているのが現状なのです。

前のページ≪

≫次のページ

(2)


厚生労働省から13種類の化学物質について
指針値(ガイドライン値)が示されています。


1997年6月(平成9年)   ホルムアルデヒドのガイドライン値を決定(0.08ppm)

2000年6月(平成12年)   さらに、トルエン・キシレン・パラジクロロベンゼンを規制に
                 加え
規制対象が4物質

2000年12月(平成12年)   さらに、エチルベンゼン・スチレン・クロルピリホス・フタル
                  酸ジ-n-ブチルを規制に加え
規制対象が8物質  

2001年7月(平成13年)  さらに、フタル酸ジエチルヘキシル・テトラデカン・ダイアジ
                 ノン
を規制に加え規制対象が11物質

2002年1月(平成14年)  さらに、アセトアルデヒド・フェノブカルブを規制に加え
                 
規制対象が現在の13物質
 

では、機械的な換気や、窓を開けて頻繁に換
気をしたらどうなのでしょう?
答えは右の図の通り・・・不十分です。
30分程度窓を開け換気しても、窓を閉めた後
約2時間で、換気前の状態に戻ってしまいます。
ホルムアルデヒドなどの有害物質が建材から
揮発し続けるからです。
2000年に国土交通省が行った調査では、築後
4〜5年の住宅が一番濃度が高かったそうです。
つまりどんなに機械による換気や、窓を開けて
の自然換気をしても、根本が絶たれないので、
室内環境は完全に改善されないのです。

ではどうする??? (次に参りましょう)