浄水器やミネラルウォーター、減農薬野菜など口に入れるものには気をつけているけれど・・・。
毎日吸っている室内の空気に関しては意外と注意が及んでいないのではないでしょうか?

食物や水分の摂取量がそれぞれ一日に約2kg程度。
これに対して同じように体内に入れる空気の摂取量は何と約20kgにもなります。

また食物の場合は肝臓で解毒されますが、空気は肺から直接血液に溶けて
全身に運ばれます。
この空気がいろいろなアレルゲンによって汚染されているとしたら・・・

主なシックハウス症候群の原因としては左の図のようなものが
上げられます。
気密性の良くなった現代の住宅では、換気計画を適切に行わな
いと、かえって結露を呼び、そこにカビが発生します。
そしてこれを餌にするダニが増殖します。
この循環から湿気た室内空気中にカビの胞子や、ダニの死がい
などが浮遊し、これを吸引してシックハウス症候群を発症します。

そしてもうひとつ。

くつろげるはずの住まいを構成する「建築材料から発生する有
害な化学物質」
により発症することも原因とされているのです。


国では、住まいの室内環境に起因する「シックハウス症候群」問題に対し、2000年に全国調査を実施しました。
その結果、国が決めた空気中のホルムアルデヒド(有害化学物質)の濃度の指針値(0.08ppm)を上回る結果が多数報告されました。

「シックハウス症候群」の発症の仕組みは花粉症とよく似ています。人の体には有害物質を受け止める許容量があり、この限界を超えた時
に発症すると言う構造です。まさに、コップに一滴ずつ落ち続けた雫がある一滴を境に溢れ出るかの様です。

この現状を受けて平成15年7月1日より、「シックハウス対策法」が施行
されました。その根幹は下記の完全実施です。

@シックハウスの原因となる化学物質が発散する建材の使用量を制限
A24時間稼動する機械換気システムを設置

これにより、法施行以降に建てられた住宅においてはシックハウスは激
減するはずでした。


しかし、あまり知られていないことですが実際はそうはなっていないのが
現実なのです。

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